ブログを始めてまだ2ヶ月なのですが、最近では「本の庵」でネット検索すると、このブログがいちばん上に表示されるようになりました。そして、いつも2番目に表示されるのが「本とお茶ときどき手紙 草径庵」という、横浜にある、きっとそれほど大きくはない読書カフェ。気になって、ホームページを拝見しようと「草径庵」でネット検索をすると、「庵主」さんの書かれた『閑事:草径庵の日々』というエッセイに辿り着きました。さっそく、勤めている大学の書店に取り寄せてもらって拝読。これまでいろいろ思い悩んでいたことが溶けていくような思いで読了しました。
一年目はこの場所で過ごす時間のほとんどが自分の休養と読書所間だった。…はじめのひとり。友人や私のことを知ってくれている近所の人たちではない、草径庵を目指してわざわざ足を運んで来てくれた最初のひとり。その人との出会いが草径庵の始まった日といえるのではないだろうか。(pp.38-39)
自分が機嫌よくいるために始めた草径庵で、私はのんびりと日常を離れて過ごす喜びを感じていた。…週末のたった二日、ほんの数時間をここで過ごすことが自分の心と体を労わり、安らぎを与えるということを知った。もちろん、人など来るはずもなく、正直、来なくてもよいのだった。こうして一年、二年と過ぎ、三年目くらいから、驚くべきことに「お客さん」と呼べるような人が来始めたのである。…ほとんどの人が一人でやって来て…それぞれの時間を過ごして帰って行く。お茶を出したり食器を下げたりしつつさりげなく観察しているうちに、こんなことに気づいた。ひょっとしたらこの人たちは、かつての私のように、日常を離れてゆっくりしたい、一人になりたいのではないか。人に何かをしてもらったりされたりするより、なにもされず安心して「自分」でいられる時間と空間をここで過ごしているのではないかと。(pp84-85)
私がこれから作ろうとしている Cafe & Library のことをあまり理解してくれない来訪者が、その場の雰囲気を台無しにしてしまうのではないだろうか、などと心配をしていたのですが、そんな心配は不要かもしれません。草径庵の庵主さんの仰るように「人など来るはずもなく、正直、来なくてもよい」と割り切ってしまえばいいのですから。
それに、このブログにウダウダと書き連ねている Cafe & Library のコンセプトなんて、どうでもいいことのようにさえ思えてきます。確かに、カフェを開業するためのノウハウが書かれた実用書を見れば、最初にコンセプトをしっかりしておきましょう、というようなことが書かれている。けれど、それはあくまでも商業的に成功するためのハウツーであって、そのコンセプトのなかで商業主義からの脱却を謳いながら、商業的な成功のためのセオリーに縛られているのも可笑しな話です。庵主さんの仰るように「自分が機嫌よくいるために」始めて、もし自分と同じように思う人がいれば、自然とそういう人たちが寄ってくるような場所を作ればいいのかもしれません。
本を読んで、この草径庵がどんなところなのか自分の目で確かめたいと思いました。ゴールデンウイークが過ぎたら、新幹線の中でゆっくりと本を読みながら、庵主さんのお話を聞きに行こうと思います。会ってくださるかしら?
著者紹介には「ライター」「構成作家」という職業が書かれているのですが、私の周囲にはおられませんので、どんなお仕事なのか、うまく想像ができません。けれど、書いておられる文章を読めば、プロの文章だなあと率直に思います。思いつくまま、思ったことをそのまま書いておられるように見えて、しっかり読む人のことを意識されておらえる。あるいは、意識しなくてもこういう文章が書けるのがプロなのかもしれません。
このブログも、もうちょっと読む人のことを意識して書かないといけませんね。
0 件のコメント:
コメントを投稿