2025/02/01

レイアウト図

 物件を見せていただいたことで、店舗としての間取りをどう考えるかが、急に具体的に見えてきました。客席として使えそうなのは、南側の窓に面した4畳半と6畳。それぞれに押し入れや床の間がついているので、それらを潰せばもう少し広いスペースが確保できます。普通のカフェだったら、そこに2人席や4人席を並べて、そんなに悩むこともなくレイアウトができるのですが、「おひとりさま」専用でお喋りはお断り、脱コミュニケーションで自分を取りもどす空間というコンセプトからすると、そんなセオリー通りに席を並べる訳には行きません。窓に向かって座るとか、壁に向かって座るとか、利用されている他の方が気にならないような座席の配置を考えないといけません。

 書架に本を取りに行くときの導線は。サービスの導線は。トイレの位置はいまのままでよいのか。椅子やテーブル(というよりもデスク)などの什器の大きさなども考えながら、ざっくり配置を考えていって、PowerPointで可視化していきます。

 結局、この時に考えたレイアウトは後にボツになるのですが、言葉だけで考えていたコンセプトを具体化するトレーニングと思えば、けっして無駄な作業ではなかったと思います。

 ともあれ、店としての形を人の目に示せるようになりました。

 不動産屋さんからは、保健所や消防署に相談に行くことを奨められていました。あるいは、私の本気度を確かめるためだったのかも知れませんが、もとより本気なので「善は急げ」、出来上がったレイアウト図を持って、すぐに相談に行くことにしました。


2025/01/30

物件購入契約

 不動産屋さんが「ほかの不動産屋さんが仲介している物件でも取り扱いができますよ」と仰っていたのは、あとで知ったのですが、「片手仲介」というのだそうです。売主さんが不動産屋さんに持ち込んだ物件を、その不動産屋さんが他のお客さんに売るのが「両手仲介」。つまり、その不動産屋さんは、片手で売主さんの仲介をして、もう片方の手で買主さんの仲介もするので、両手を使っている訳です。それに対して、他の不動産屋さんが仲介している物件を、そことは別の不動産屋さんに仲介してもらって買うということは、売主、買主それぞれに不動産屋さんがついていて、それそれ片手でお客さんを持って、もう片方の手は相手の不動産屋さんと結んでいるという状態なので「片手仲介」というのだそうです。

 そんなことも知らずに、大手の不動産屋さんのホームページから候補になりそうな物件を探して一覧表を作り、いろいろ思案して最初に選んだ物件が、最終的に「本の庵」を開く場所になりました。これは御縁のものとしかいえません。もちろん、最初からその物件に決めるつもりではなかったのですが、ホームページを見ているだけではことは進みませんし、それに不動産屋さんに初めて会ったときに説明していただいた、例えば袋小路は安いとか、再建築不可物件は転売が難しいとか、そういうことを実際に当てはめて、これはどうしてこの値段なのか、というようなことを少しずつ勉強していくつもりで見せていただくことにしたのに過ぎません。

 ところが、見せていただくとこれがことのほか良い物件でした。私の年齢と同じぐらいの築年数なのですが、改築や修理もされていて、住むならそのまま住めそうな状態です。庭も広く、南向きに大きな窓が取って会って、冬は日差しが暖かく、夏は風通しが涼しいということがよく分かります。雨漏りの跡もなければ、床の根太もしっかりしています。断る理由を探すのに苦労する物件でした。

 不動産屋さん的には、軽自動車がやっと入れる、いわゆる「2項道路」の先にある私道に面した物件で、駐車場もない、というのがネックになって、なかなか買い手がつかないのだろう、ということでした。住むとすれば確かにそこは「難」かもしれませんが、駐車場は作らない方針で、隠れ家的なお店にしたいという要件から言えば、そこは何のネックにもなりません。再建築不可物件だと、自分が高齢になって店を続けられなくなったときの転売に制限が掛かりますが、前面道路の拡幅のための用地を供出すれば再建築もできるとのこと。あとは価格ですが、これも「片手仲介」ですので、不動産屋さんは買主である私のためだけに売主さん側と交渉をしてくださいますので、気を煩うことはほとんどありませんでした。

 不動産屋さんと初めて会ったのは9月の後半。物件を見せていただいたのが11月の初め。そのあと、買付証明書が欲しいと言われ、並行して銀行口座を開設して、12月の初めに契約。こちらの希望で少し間が開いたのですが、昨日、引き渡しがありました。まだ電気も水道も使えませんが、これで名刺に所在地を印刷できます。開館(開業)に向けて大きく一歩を踏み出したといえます。

2025/01/29

不動産屋さん

 商工会議所に相談して以来、いろんなことがいっきに具体化してきました。相談に応じてくださった方は、歯に衣着せぬ物言いで、忖度なしに、こちらの脇の甘いところを容赦なく攻めてこられるのですが、そのおかげで気付かされることも多かったですし、なによりも本気でいろいろアドバイスをいただいたおかげで前に進むことができたように思います。

 不動産屋さんのことについても、大手のところでは相手にしてもらえないかカモにされるだけ、などと手厳しかったのですが、「こうして探すんですよ」と私に合うような不動産屋さんをいっしょに探してくださって、自宅近くで個人で営業されている方とご縁を繋いでくださいました。

 さっそくその不動産屋さんとコンタクトを取って、自宅近くのファミリー・レストランでお話を聞いていただくことになりました。小さな不動産屋さんですので、常に仲介物件をいくつもお持ちで、私から「こんな物件を」といえば「じゃあ、これはどうですか」と候補を出してくださるわけではありません。物件を見つけるのに時間がかかるかもしれませんが、開業までまだだいぶ時間もありますので、それは大丈夫です。それに、若手のチャキチャキした不動産屋さんから、次はこれ、その次はこれ、といろんな物件を見せられて、すっかり相手のペースで探さなければいけないより、これぐらいのペースがありがたい。いいご縁をいただいたものです。

 まずは私から、どんな物件を探しているのかを説明しないといけません。読書カフェを作りたくて古民家を探している。ちょっと尖ったコンセプトなので、通りすがりの一見客ではなくて、わざわざ1時間ばかり電車に乗ってくるような人をターゲットにしたい。おひとり様だけをターゲットにして、ゆっくり滞在してもらうことを旨にしようと思うので、駐車場をつくると効率がわるい。中途半端な駐車場では、近所に路上駐車されたりしてご迷惑を掛けることにもなりかねないので、最初から駐車場はなしで考えている。だから駅の近くでないとダメなのだけれど、商店街の中よりも住宅地の中の「隠れ家」的なところを探したい。

 初めて会う人なので、このブログにつらつらと書いていることをイチから説明するわけにもいかず、だいぶ端折ってそんな説明をしたと思います。カフェとしてはそんな収益性があるコンセプトではないので、固定費を少しでも抑えて、売上のことをあまり気にせずに、最初に考えた尖ったコンセプトを曲げずにやっていきたいということを思っていたのですが、その話をする前に、安い物件の探し方のポイントみたいなことを、いろいろとご教示いただきました。袋小路が狙い目だとか、再建築不可物件は安いけれど転売が難しいとか、自動車を入れることができない物件の場合はリノベーションにおカネがかかるとか、ひとつひとつ貴重な知見なのですが、それ以上に、誠意を感じる話され方でした。この人なら、もう少し立ち入って話を聞いていただけるだろうと思い、本当にやりたいのは私設図書館で、こんなことを感じている人に来てほしくて、お店の中はお喋りお断りで、とにかくひとりになって自分を取りもどす場所にしたいのだ、というようなことも、うん、うんと聞いてくださいました。

 ほかの不動産屋さんが仲介している物件でも取り扱いができますから、声を掛けてください、とのこと。これは心強い。それならば、と帰ってからいくつかの大手の不動産屋さんのサイトで物件を探し、手元のEXCELシートに入力して一覧表を作っていくことにしました。何か急に歯車が回り始めたように思ったものです。