不動産屋さんが「ほかの不動産屋さんが仲介している物件でも取り扱いができますよ」と仰っていたのは、あとで知ったのですが、「片手仲介」というのだそうです。売主さんが不動産屋さんに持ち込んだ物件を、その不動産屋さんが他のお客さんに売るのが「両手仲介」。つまり、その不動産屋さんは、片手で売主さんの仲介をして、もう片方の手で買主さんの仲介もするので、両手を使っている訳です。それに対して、他の不動産屋さんが仲介している物件を、そことは別の不動産屋さんに仲介してもらって買うということは、売主、買主それぞれに不動産屋さんがついていて、それそれ片手でお客さんを持って、もう片方の手は相手の不動産屋さんと結んでいるという状態なので「片手仲介」というのだそうです。
そんなことも知らずに、大手の不動産屋さんのホームページから候補になりそうな物件を探して一覧表を作り、いろいろ思案して最初に選んだ物件が、最終的に「本の庵」を開く場所になりました。これは御縁のものとしかいえません。もちろん、最初からその物件に決めるつもりではなかったのですが、ホームページを見ているだけではことは進みませんし、それに不動産屋さんに初めて会ったときに説明していただいた、例えば袋小路は安いとか、再建築不可物件は転売が難しいとか、そういうことを実際に当てはめて、これはどうしてこの値段なのか、というようなことを少しずつ勉強していくつもりで見せていただくことにしたのに過ぎません。
ところが、見せていただくとこれがことのほか良い物件でした。私の年齢と同じぐらいの築年数なのですが、改築や修理もされていて、住むならそのまま住めそうな状態です。庭も広く、南向きに大きな窓が取って会って、冬は日差しが暖かく、夏は風通しが涼しいということがよく分かります。雨漏りの跡もなければ、床の根太もしっかりしています。断る理由を探すのに苦労する物件でした。
不動産屋さん的には、軽自動車がやっと入れる、いわゆる「2項道路」の先にある私道に面した物件で、駐車場もない、というのがネックになって、なかなか買い手がつかないのだろう、ということでした。住むとすれば確かにそこは「難」かもしれませんが、駐車場は作らない方針で、隠れ家的なお店にしたいという要件から言えば、そこは何のネックにもなりません。再建築不可物件だと、自分が高齢になって店を続けられなくなったときの転売に制限が掛かりますが、前面道路の拡幅のための用地を供出すれば再建築もできるとのこと。あとは価格ですが、これも「片手仲介」ですので、不動産屋さんは買主である私のためだけに売主さん側と交渉をしてくださいますので、気を煩うことはほとんどありませんでした。
不動産屋さんと初めて会ったのは9月の後半。物件を見せていただいたのが11月の初め。そのあと、買付証明書が欲しいと言われ、並行して銀行口座を開設して、12月の初めに契約。こちらの希望で少し間が開いたのですが、昨日、引き渡しがありました。まだ電気も水道も使えませんが、これで名刺に所在地を印刷できます。開館(開業)に向けて大きく一歩を踏み出したといえます。
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