2025/08/27

働き方改革

 36協定で定められている上限を気にしながら、例えば10時まで残業しても、8時でいったん退勤登録をするとか、それも「働き方改革」などと言われる前はこうではなかったのです。正直に10時で退勤登録して、だけど残業は8時まで、というようなことをしていた。それはそれでよくないことではあるのですが、少なくとも10時まで働いていたという記録は残すことができました。しかし、この会社ではそんなことが横行していたので、労基署が入り、そこを指摘されてからは、10時まで残業するときでもいったん8時なり9時なりで退勤登録をするということが慣行となりました。そうやって、雇われている方が「自主的」に36協定が守られているような外見を作ってきたのです。これは明らかにおかしい。法定労働時間でも法定休日でも36協定でも、それを守る義務があるのは雇う側であって、それが守られていないときに責任を問われるのは会社の方なのです。ところが、この会社ではそんなこともわかっていない人が課長になって部下の勤務管理をしているのです。課長になれば部下の勤務を管理しないといけないので、課長研修などの機会にそういうことを教示しないといけないはずなのですが、この会社の課長研修というのは、言っている本人も何を言っているのか分からないような「お偉方」の話を聞かせて根性を叩きこむだけなのかもしれません。

 繁忙期も過ぎて、少し余裕も出てきたある日、私は上長に呼び出されて、別室に連れていかれました。そこで上長は、前日、私がやっていた仕事を「自己満足のための無駄な仕事」と断じ「1年に1回しかない仕事のためにマニュアルなんかいらない」「そのとき誰かに聞いたらわかるんや」というのです。ここで私の尊厳は完全に打ち砕かれました。挙句に「36協定を守ることより大事な仕事はない」などといって、私に36協定を守らせようとする。おぞましい。こんな人が課長をやっているなんて、うちの会社はブラック企業なのか。

 この会社では、上長の言うように、引継資料なんて「自己満足のための無駄な仕事」なのです。どうせそんなもの誰も読んでくれません。それでも書かなければ気が済まない。ここで止めてしまったら、私は、実務を非正規雇用の人に押し付けて偉そう張るだけで仕事をしていると勘違いしているダメ正社員に落ちぶれてしまう。自己満足というのであれば、徹底的に自己満足を追求するまでです。

 繁忙期も過ぎたので、10時、11時といった残業はなくなりましたが、それでも残業は続いています。上長の恫喝以来変わったことといえば、退勤登録をしなくなったことです。自己満足のための無駄な仕事のために残業を付ける訳にはいきません。さりとて定時に退勤しているように偽るのは悔しい。退勤登録をしないのはせめてもの抵抗です。それで上長も何も言いません。それなら最初からそう言えばいい。「残業を付けるな」。もちろんそんなことを言ったことが労基署にばれたら完全にアウトです。そうやって自分が責任を取るようなことにならないように、という小賢しさだけは持っている。この会社で課長になるのはこういう小賢しい人間ばかりなのかもしれません。

0 件のコメント:

コメントを投稿