話の順序は前後するのですが、シン・コミュニケーションの話から、2回目の京阪津読書カフェ勉強会のときに話題になった「ご予約席」の話をしようと思います。
2回目の勉強会は大阪でした。午後からだったので、京都のマスターは、午前中に大阪の天満橋にある大型書店に行ってから来られてそうです。マスターが言うには、「カフェでも本屋でも、なにか二つ「惹き」がないと行かない」のだそうです。カフェだったら、店長の人柄がいいというのは必須条件で、もうひとつ、例えばコーヒーがものすごく美味しいとか、コーヒーはいまいちでもフードメニューが豊富とか、何かもうひとつポイントになるところが必要なんだそうです。書店であれば、欲しい本があるだろうという期待が持てるというのが必須条件なんだけれど、やはりもうひとつ何かポイントが必要で、天満橋の書店の場合は、そこに行くときに京阪電車のプレミアムカーに乗れるというのがポイントなんだそうです。どうやら、必ずしもそのカフェや書店の提供している価値だけがポイントではなさそう。
それをいうと「本の庵」もそういう外部要因でポイントが稼げるかもしれません。「本の庵」の最寄り駅は京阪石坂線の松ノ馬場駅。この京阪石坂線は、鉄道マニアならずともなんとなく乗ってみたいと思わせる魅力を持っていそうです。でも、わざわざ用事もないのに乗りに来るのは相当な鉄道マニア。大津まで来たからついでに京阪石坂線に乗っていこうか、などと思う人はそれほど多くはないでしょう。けれど、「本の庵」に行くなら乗る理由ができます。わざわざは乗らないけれど「本の庵」に行くついでなら、いや京阪石坂線に乗るついでに「本の庵」に寄ってやろうか。どちらでもいいのですが、それが「惹き」になるかもしれません。最初はそんなことを考えずに、ただ、駅から歩ける範囲でって考えていたのですが、松ノ馬場は終点のひとつ前ですし、そこまでくるのが「わざわざ」なので、それに魅力を感じてくる人に期待できるかもしれません。
話題は京阪電車のプレミアムカーと阪急電車のプライベースの比較という鉄分の濃い話から、「お店にもプレミアムカーみたいな空間がつくれないか」という話題に。つまり500円余分に払ってもその席に座りたいと思わせるようなプレミアムな席。でも、他の席がいっぱいで、別にその席に座りたいわけじゃない人が来たときにその席しか空いてなかったら、なんとなく余計なおカネを払わされたような気分にならないだろうか、などとかんがえると躊躇してしまうのだそうです。それは確かに。それじゃ予約制にすれば確実に好みの座れるのだけれど、予約しないで来た人が座ろうと思っている席に「予約席」の札があると、ひどく自分が低く扱われたように思われてしまう。それに、客の立場で言うと、京都のこのカフェには待っていてほしくない。反対に言うと、いつでも迎えてくれるように開いていてほしい。だから、予約をしてマスターを待たすということをしたくない。予約という行為で自分を縛りたくないし、マスターも縛りたくない。いつでも自分の好きなときに行っていいし、いつ行っても迎えてくれる。それが客から見たときのその店の価値なんだ、というのが、二人のコア・カスタマーの一致するところでした。マスターさんからすると、お客さんが来るのは嬉しいし、いつも「あの人が来てくれないかな」と待っているのだけれど、あえてそういう素振りを見せずに冷静に迎えている。予約制にするとそこの迎え方が微妙に変わりそう。ふむふむ。それも何となくわかる気がします。
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